一言で丁寧な感じが出せる「させていただきます」は便利な言葉です。コールセンターで働いているので私もよく使うのですが、多用しすぎないように慎重に使っています。
例えば、
〇〇さんと結婚させていただきます。
お手ごろな価格で提供させていただいております。
普通の文章に見えますが私は違和感を感じます。慇懃無礼(丁寧にしすぎて失礼になってしまうこと)な感じというか回りくどいというか。
そこで今回は話すことを仕事にしている私が気を付けている「させていただく」の使い方をご紹介します。
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「させていただく」の意味
「させていただく」に丁寧さ以外の意味があるの?と思うかもしれませんが、もちろんあります。本来は相手に許可をしてもらう時に使うのが正しい使い方です。
しかし最近は許可を取っている=相手に配慮していると丁寧な印象になるため多用されているようです。確かに丁寧な言い方に聞こえますが、相手の許可を取っているわけではない時も見境なく使うのは違和感があります。
丁寧さの過剰なアピールというか、相手のためではなく自分の保身のために話しているというか、自分本位な印象を受けます。
やりすぎな例
確認させていただきます。
書類をお送りさせていただきます。
ご住所を変更させていただきます。
担当者へお電話をおつなぎさせていただきます。
〇〇円お預かりさせていただきます。
上の例は一見正しくて丁寧に見えます。しかしどれも相手の許可を取る必要はないですよね。相手から確認してほしい・送ってほしいなどお願いされたことにさらに許可を取るのはやりすぎです。
「させていただく」どう言い換える?
では、「させていただく」を使わずにどう丁寧に話せばいいのでしょうか?「確認します」「送ります」だけだと丁寧な感じがしなくて言いにくいですよね。
便利な魔法の言葉があります。「いたします」です。
確認させていただきます。
→確認いたします。
書類をお送りさせていただきます。
→書類をお送りいたします。
ご住所を変更させていただきます。
→ご住所を変更いたします。
担当者へお電話をおつなぎさせていただきます。
→担当者へお電話をおつなぎいたします。
〇〇円お預かりさせていただきます。
→〇〇円お預かりいたします。
どうでしょうか?丁寧だし回りくどくないし、不要な部分がそぎ落とされて洗練された感じがしませんか?
よく芸能人の結婚報告で「結婚させていただきます」と話しているのを耳にしますが、大人同士が本人たちの判断で結婚をするわけで別に許可とる必要ないのなぁと違和感を感じます。関係者やファンを気遣っての「させていただく」かもしれませんが、私は「結婚いたします」だけで十分だと思います。
まとめ
今回は「させていただく」の使い方についてお話ししました。
「させていただく」が多いとそれだけで会話が長くなってしまいますし、余計な言葉が多いと相手に要点が伝わりにくくなってしまいます。
私は電話つまり声だけでコミュニケーションをとる仕事をしているので、どう話したら相手に届くか・わかってもらえるかを考えながら話しています。「変な敬語だなぁ」「話が長いなぁ」と思われてしまったら、私が話している内容はもう頭に入らないかもしれません。
「たかが敬語・されど敬語」です。相手に伝わりやすいように=余計なことは省いてシンプルに伝えるのが大切だと思っています。